ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「味の素」が、プレイステーションの売れ行きを左右する。

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2020年11月に発売された家庭用ゲーム機のSONYのPlayStation やMicrosoft Xbox Series Xは、発売から2カ月経っても世界各国の市場に十分な数が供給されておらず、品不足が続いている。その原因は、チップの絶縁体に用いられる「Ajinomoto Build-up Film(ABF)」の不足が供給のボトルネックになっているのだという。ABFとは日本の「味の素グループ」が開発した高性能半導体製品の回線基盤に使われている絶縁フィルムのことで、ナノメートルレベルで回路が構築される現代のCPUでは、複数の回路が何層にも重なった多重構造の回線基盤が当たり前になっており、その各層の間を絶縁するためにこのABFフィルム(⬆上図参照)は必要不可欠なのだ。味の素によれば世界の主要な半導体製品の回線基盤のほぼ100%に使われている絶縁体だという。しかし、食品会社のイメージが強い「味の素」が回線基盤用の絶縁体をなぜ独占しているのか。実は、味の素の材料であるアミノ酸に関するノウハウを応用し、絶縁性をもつエポキシ樹脂に注目しそれまでインク形式であった絶縁材料のフィルム化を、味の素が世界で初めて実現したのだ。配線が複雑に積層されている回線基盤に耐久性や熱膨張性、加工性など高い機能を備え今やPCメーカーにとって不可欠な絶縁フィルムとなったABF、いってみれば、世界のゲーム機やスマートフォンなどの生産量を左右する味の素が発明した絶縁フィルム。まさに、ニッポンの技術ここにあり、と言えないだろうか。