SNSにアップされた宇宙から撮影されたアジア各国の夜景を写した写真⬆。中国やインドを含む世界の成長センターであるアジアの中でも、日本がトビ抜けて明るい事に対する驚きの声や、朝鮮半島が南北でハッキリと明暗が分かれている点を指摘する声など、非常に多くの反響を寄んでいる。なぜ、日本の夜景は各国に比べてひときわ明るく見えているのか。その理由は、世界一のLED電球のひかりによるものだ。日本人が発明し、その国内普及率がすでに70%というLED電球の明かり。世界のトップシェアを誇る日亜化学のLED電球は世界シェア30%を占め、トヨタ合成やシャープの売上を含めると日本のメーカーがLED電球の世界シェアでほぼ半分を占めている計算だ。⬆上の写真で暗く映っている中国はLED電球のシェアは8%に過ぎないのが現状だ。ドイツ地球科学研究センター(GFZ)の研究によると、夜間に人工光によって照らされる地表の面積と明るさは年々2%ずつ増加しており、その主な原因となっているのが、明るさが強いLED電球が急速に普及しているためだと指摘している。そして、LED電球から放出される「青色光」の問題は、星空が見えなくなったり、野生生物が生物リズムや夜行性の本能に混乱をきたすなどの深刻な影響を及ぼすと考えられている。人間でも概日リズム(体内時計)が乱れたり、夜間、車を運転しているときに眩しい光のせいで暗い部分がかえって見えにくくなったりするなどの危険性があると指摘している。「省エネ」の象徴と、もてはやされるLED電球、こうした「負」の側面もある点を、我々は承知しておくべきだろう。