ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

人は知ってる商品しか買わない「ペプシパラドックス」とは。

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1980年代の日本で『ペプシ・チャレンジ』と呼ばれるコーラの飲み比べキャンペーンが行われた。これは一般消費者を対象にペプシ・コーラとコカ・コーラを飲み比べ、ペプシの優位性をアピールするためのキャンペーンであった。このキャンペーンは、消費者に商品名を伏せて「A社のコーラ」と「B社のコーラ」を飲み比べしてもらい、どちらがおいしいかを選んでもらうというものだった。このキャンペーンに参加した多くの消費者が「ペプシ・コーラ」を「こちらがおいしい」と選んだ。中には自称「コカ・コーラ愛好家」という人も含まれていた。しかし、商品名を伏せた状態の評価でペプシが選ばれたにも関わらず、その後に行った「ペプシかコカ・コーラどちらを選ぶか」と商品名が示された試飲テストでは、「コカ・コーラ」を選んだ人が圧倒的多数という結果になった。この現象は、現在のマーケティング用語で『ペプシ・パラドクス』(Pepsi-paradox)と呼んでいる。つまり、どんなに優れた商品でも自分が知らない商品には消費者は手を出さない、消費者が美味しいと思う飲み物は、自分が一番良く知っている商品だ、という厳しい現実なのだ。様々なメーカーが、新製品を発売すると、これでもかと思うほどコマーシャルを大量に流し続けるのは、「商品名を知ってもらうことで商品を買ってもらえる」という販売のセオリーがあるからだ。コーラと同じ飲料であるビールのシツコイくらいのTVコマーシャルを見ていると、ペプシパラドクスの 悲劇を十分に納得できる。