アメリカ医師会雑誌に発表された「新型コロナは抗体の発動が非常に遅い」という論文に注目した国際医療福祉大学の高橋医師⬆。この理由を、新型コロナは毒性が弱いため、人体が「抗体」を作るほどの外敵ではなく「自然免疫」での処理で十分と判断しているからではないかと高橋医師は言う。「自然免疫」とは、侵入してきた病原体を感知し排除しようとする体内の予防システムで、外敵への攻撃能力は高くないが、常時体内を巡回してウィルスの侵入を防いでいる免疫のことだ。。世界各国の「抗体検査」では、抗体ができてる人はロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。日本では「自然免疫」でほとんどの人が治ってしまっているため「抗体保有者」が各国に比べて少ない、と考えるのが「自然ではないか」と高橋医師は語る。「自然免疫」で治る人の比率が欧米より日本人のほうが高い理由は、我が国では自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性が高いのではないかと高橋医師はみていると言う。感染の第2波が来ている現状についても、高橋医師は「やるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だ。感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することの方が重要だ。感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。それに応じて対策も変わる」と語る。新型コロナを闇雲に恐れず、「感染パターンを把握すべき」という高橋医師の指摘に 政府も東京都もしっかり耳を傾けるべきだろう。