ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

感染者が現在1万人いない日本でコロナワクチン開発はムリ。

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我が国で新型コロナワクチンの開発の最先端にある、とされる、大阪大の森下竜一教授(臨床遺伝子治療学)⬆。その方法は、新型コロナウイルスが人の細胞にくっつくためのスパイクと同じDNAを投与し、体に「異物が来た」と判断させ、そのスパイクの型に合った抗体を作らせてウイルスの侵入を防ぐ。すでに動物実験では抗体価上昇が確認されたという。今後の見通しについて森下教授に聞くと、 「7月中に30人規模での臨床試験を予定していて、それ以降は未定なところも多いですが、9月くらいから400人規模の臨床試験を考えています」と語る。ワクチンの臨床試験は3つのフェーズで行われる。フェーズ1は、少人数の健康な成人を対象にした有効性と安全性に関する試験。フェーズ2は、健康な人を対象にワクチンの接種量、接種スケジュール等を明確にするための試験。フェーズ3は、大規模な集団において有効性と安全性を確かめるための試験だ。この中のフェーズ3で行う大規模な集団への臨床試験だが、「感染者が少なくなってくると、健常者にワクチンを打っても、本当に感染しないのか検証し、ワクチンに効果があるのかどうかのデータを出すことが難しくなります」 と、森下教授は語っている。つまり、フェーズ3の試験段階では1万人程度の被験者が必要だという。ところが、世界各国に比べてコロナ感染者数が少ない日本では、現在の感染者数は3000人程度しか存在しない。「感染者が減少しているため臨床試験の結果が出せない可能性がある」、と語る森下教授。我が国の感染者の少なさがコロナワクチン開発を妨げるとは、何とも皮肉な結果と言えないだろうか。