ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

コロンブスの像次々破壊。500年前の「悪党」の仮面が剥がされた。

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コロナ禍で起きた反人種差別デモの影響で、新大陸発見の英雄コロンブスも「新大陸に略奪と虐殺と疫病をもたらした死神」(⬆上の図)と批判され、全米各地でコロンブスの像が次々と破壊されている。今から500年以上前の1492年にインドを目指してスペインの港を出発し、アメリカの新大陸を発見したコロンブスは、最初に上陸したサンサルバドル島でインディアンたちから歓待を受ける。「 彼らは鉄をまったく持っていない。彼らの槍は草の茎で作られている。彼らはいい身体つきをしており、見栄えもよく均整がとれている。彼らは素晴らしい奴隷になるだろう。私は彼らすべてを征服し、思うままに何でもさせることができる」とコロンブスは日記にこう書き残している。最初の航海から帰国したコロンブスはスペイン国王に次の航海目標として「「王が必要とするだけのありったけの黄金…王が欲しがるだけのありったけの奴隷を連れてくるつもりです」と述べ、1493年に2度目、1495年に3度目の航海を行い、インディアンに対して徹底的な虐殺弾圧を行った。再び殺戮の船旅に出たコロンブスは、スペイン人の持ち込んだ病いに倒れ非武装だったインディアンの村々を徹底的に攻撃し、数千人単位の虐殺を指揮、コロンブスの襲撃戦略は以後、スペイン人が南米大陸侵略で繰り返した大量殺戮のモデルとなったほどだ。これほど歴史上でも稀な「悪党」であったコロンブスが、「新大陸発見」の英雄として銅像になって現在にまで存在してきたことの方が、不思議といえば不思議だった。今回の銅像破壊でコロンブスの「英雄伝説」は、アメリカ人の意識の中で、どんな風に変わってゆくのだろうか。