イタリアの有名ブランド「グッチ(GUCCI)」が、従来の「美の価値観」を塗り変えるような広告を次々と展開しているのをご存知だろうか。コスメラインのGucci Beautyでは、何と歯並びが整っていないすきっ歯モデルの口をアップ(⬆上写真左)したり、口元がシワだらけのお婆さん(⬆上の写真右)のモデルを起用したりと、GUCCI口紅の高級なブランドイメージにそぐわないのではないかと思われる広告展開を次々に行っている。隙間の空いた前歯がチャームポイントのダニー・ミラーさんはマスカラの広告でもモデルを務めており、歌手としても活動している女性だ。ミラーさんは自身のSNSで、「変わっている部分を祝福し、たとえどんな姿でもありのままの自分たちが特別で美しいということを祝福したい」と語っている。GUCCIの公式サイトには、「真の美しさは、不完全なものの中にこそ宿る」 とのメッセージが載せられていて、このほか、Gucci Beautyには、人種や性別、年齢など、さまざまな個性を持つモデルが登場し口紅の広告には、ダウン症のモデル、エリー・ゴールドスタインさんが起用された。さまざまな人の「不完全な美しさ」に焦点をあてたGUCCIのこの広告キャンペーンには、SNSでは賞賛の声もあるが、一方では否定的な声も上がっているとか、しかし、口紅の売り上げは絶好調で発売から1カ月で100万本以上を売り上げたというから驚きだ。化粧品広告に新風を吹き込んだGUCCI、一流ブランドの証しなのかもしれない。