ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

志村けん、厳格な父親に教えられた「本物の笑い」とは。

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コロナ感染で亡くなった日本を代表するコメディアン「志村けん」さん、その彼が「お笑いのツボ」を父親を通して学んだというエピソードが興味深い。柔道の有段者で教師だった厳格な父・憲司さんは、家の中でめったに笑う人ではなかった。志村けんさんの兄弟全員の印象でも「一緒に和気あいあいと話したようなところは見たことがない。(子供たちにとって)煙ったい部分もあった」という。ところがある日のこと、家族が笑いながらテレビを見ていると、父が入ってきた。当然、空気が変わりみんな静かにしていたのだが、その時の場面を志村さんはこう振り返った。「『雲の上の団五郎一座』だったかな、そういう一座の舞台中継をやってて、『お富さん』っていうネタで。(三木)のり平さんがなかなか足を組めないんですよ。もう何回もやるんだけど。そこを親父はひっくり返って笑ってましたもんね。テレビを見ながら『(父親が)笑ってるよスゲエ』と。笑わない親父を笑わせる、この人たちはすごい力だな」と子供心に驚いたという。どんなに気難しい人間でも笑い転がせることができる「本物の笑い」というものを、父親が大笑いする姿を通してこの時に学んだ志村けんさん。お笑いブームの昨今、お笑い芸人は星の数ほど存在している。でも、「本物の笑いとは何か」について知っている芸人は数少ない。志村けんさんがコメディアンとして抜きん出たウラには、子供の頃、厳格な父親を笑わせた芸を通して「本物の笑い」とは何かを会得したからに他ならない。