20代の若者は、実に8割以上の人がベッドでスマホをいじっているというデータがあるが、寝る直前までスマホを見続けると眼精疲労が重なり、20代の若さでも、目がかすんだりピントが合うまで時間がかかったりする、“スマホ老眼”と呼ばれる症状を起こすといわれている。こうしたスマホの見過ぎはVDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群を引き起こし、イライラや不安感を招くなど、メンタルにも悪い影響をもたらすことがわかってきている。そんな中、中国科学技術大学の研究チームが、マウスにスマートフォンから発せられるのと同じブルーライトを夜間に1日2時間照射する実験を行った。すると実験開始から3週間が経過した段階で、マウスにうつ傾向を示す行動が見られたという。研究チームは、マウスの網膜にある「メラノプシン」と呼ばれる光受容体から外側手綱核と呼ばれる脳領域を経て前脳にある側坐核という脳領域につながる「視神経の回路」を特定。網膜の光受容体から入ったブルーライトの刺激によってこの「視神経の回路」内で、ウツ病発症に深く関わっているとされるセロトニンやγ-アミノ酪酸(GABA)が産生されることを突き止めた。これとは真逆にマウスの「視神経回路」への伝達を遮断してブルーライト照射の実験を行うと、マウスにウツ病傾向を示す行動が見られなかったと言う。さらにこの「視神経回路」は日中よりも夜間に浴びた光に対して強く反応することも判明した。それでも、あなたは寝る前の「ベッドでスマホ」を辞めようとは思いませんか(笑)