新型コロナウイルスをめぐり、政府や専門家会議の声明文が「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」などとカタカナ英語をひんぱんに使っていることに、河野防衛大臣が「わかりやすい言葉にしたほうがいい」と苦言を呈した。河野大臣は、これらのカタカナ英語は「集団感染」「感染爆発」「都市封鎖」など日本語に言い換えられるはずだと指摘。その上で、「年配の方をはじめ、よく分からないという声は聞く」「もう少しわかりやすく日本語で言えばいいと思う」と語った。なぜ、コロナ騒動の緊急時に行政府の役人はワザと意味がわかりにくい英語をカタカナにして使いたがるのか。はっきり言えば英語のほうが日本語より優れている言葉だという英語コンプレックスが心の底にあるからだ。100年以上前、日本の博物学の祖とされる南方 熊楠(みなかた くまぐす)は米国に5年英国に8年留学し語学にも堪能だったが、同時に英語コンプレックスを持たない稀有な日本人だった。大英博物館に勤めていた時、図書館で人種差別発言を受けた熊楠は大勢の前でその男に頭突きを喰らわせ入館禁止となった。1年後にまた差別発言をしたその男を殴打し博物館から永久追放されたが、学才を惜しむ有力イギリス人たちから嘆願書が出され復職した、という熱血漢だった。英語でケンカもできる知識人南方 熊楠は、民俗学者柳田國男に対して「(日本人で)外国語を文章や会話に挟むような奴はろくなやつがいない」と語ったという、逸話がある。毎日のようにクラスターやオーバーシュートをひんぱんに使っている連中は、100年前に 熊楠が言った通り「ろくな奴」ではなさそうだ(笑)