飲食店情報サイト「ぐるなび」が、ピンチに陥っている。2019年3月期の連結決算では経常利益が前期比73.2%減の12億円と大幅に減少し、オリンピック開催の20年3月期の最終損益が20年ぶりに35億円の赤字となる見通しだ。その理由として考えられるのは、飲食店選びにインスタを利用する人が急増しているからだ。例えば、『#神保町カレー』といったふうにハッシュタグで食べたいものや場所を入力して検索するが、そこで最もインスタ映えしている料理写真のある店をチョイスできる。今の時代、料理は味よりも見た目が重要視される傾向があるため、お店選びにはぐるなびよりインスタが選ばれているというわけだ。スマホユーザーは「いろんなものをネットで予約するのが当たり前の時代になって、ぐるなびをだんだん使わなくなった。ネット上で即時予約できるお店が少ない印象だし、使いづらい」「お店の情報は、インスタで探すことが増えました。レビューもそうですが、投稿者が写したメニューやリアルな店内の様子などの写真もあがっているので、『どういうお店なのか』がわかりやすいんです。ぐるなびの写真だと、実際のお店の空気感がつかみにくい。後付けで『口コミ』機能がついたけれど、あまり充実してない印象です」と言ったスマホユーザーにとって、ぐるなびはすでに過去形のサイトになっている。飲食情報の老舗という座にあぐらをかいてスマホユーザーの声に耳を傾けずに来た「ぐるなび」の敗北は当然の帰結と言えるだろう。