京都アニメーションは、放火殺人事件があった第1スタジオで焼損を免れたサーバーからデータを回収できた、と明らかにした。デジタル化された原画などが含まれていたという。 サーバーは全焼した3階建てスタジオの1階にあった。四方をコンクリートに覆われた部屋にあったことで焼損せず、消火活動による水の影響も受けなかったとみられる。 このため同社は専門家の協力を得て作業にあたり、データを取り出したという。同社代理人の桶田弁護士は「サーバーに記録されていたデータについては欠損なく回収された。献身的なご尽力をいただいた専門家の方々に心より御礼申し上げる」と話している。このデータ回収の発表の前に、京都アニメーションは、企業再生のための募金やクラウドファンディングの動きが世界各地で広がっていることを受け、支援金受け付けの「専用口座」を設けたとも発表している。こうした会社再建の動きを世間に向けて次々と発表している「会社ファースト」とも取れる京アニの企業姿勢に放火の犠牲となった34名の原画製作者たちの遺族はどんな思いでいるのだろうか?遺族の一人の母親は「ひどい事件で死んでしまったけど、娘の活躍を知ってうれしいなとも思う。親孝行のしっかりものやった。娘はこんな人間やったと(世間に)知ってもらいたい」と語っている。京都アニメーションの経営陣は、原画の無事回収や再建の支援金集めなど「会社ファースト」のお知らせを矢継早にする事よりも先に、今回の放火事件で犠牲になった原画制作者たちの家族に寄り添う「遺族ファースト」であるべきではないのか。