ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

見ました?安楽死の実況中継。最期は自分の手でしなければならない。

iruf:id:gunjix:20190603153042j:plain

NHKが、「安楽死」が合法化されているスイスで日本人女性が安楽死を遂げる一部始終の「実況中継」を行った。「安楽死」とは具体的にどうするものなのかを具体的に知らない我々にとって実に興味深いドキュメンタリー番組だった。最後の場に立ち会った二人の姉が見守る中、安楽死を希望した日本女性は、ベッドの上に横たわり姉達と会話しながら死を迎える。腕に「点滴」を実施する準備が整えられると安楽死を介助する女医が英語で安楽死実行に対する「意思確認」をして彼女も英語で答える。安楽死を介助する女医が「では点滴を入れます、30秒もするとあなたは死にます、宜しいですか? 」と本人の意思確認を取り点滴バッグの中に100cc ほどの死に至るための液体が注ぎ込まれる。立ち会った姉達と笑顔を交えての最後の会話が途切れ、わずか30秒ほどの間に目をつむり安らかな寝顔に見える状態に陥り、女医が頸動脈に触れて心臓の停止を確認し臨終を告げるという一部始終が実況中継された。この中継の中でひとつだけ女性が自分の手でしなければならない場面がある。それは自分の手でウデに刺さった点滴用のチューブの「栓」を開かなければならないのだ。彼女が「これを開けば死ねるのね」と言いながら躊躇なくその栓を開いたのには驚かされた。かつて同じような映像をみせられた安楽死願望のあった脚本家橋田壽賀子さんがこの最後に自分の意志で「栓を開く」シーンの映像を見て「私にはできない」と言ったのを思い出した。とどのつまり「安楽死」とは、最後に点滴の「栓を自分で開く」勇気があるかどうかなんだ、とこの実況中継を見ながらリアルに認識させられた。