MLBマリナーズの菊池雄星投手が8日、ヤンキース戦に先発し6回1死までヤンキース打線を無安打に封じる快投を見せたが、その後に菊池投手が帽子のツバに滑り止めの"松ヤニ"を使用していたのではないか、という疑惑が浮上した。現地メディアが、菊池の帽子のつばの裏側部分にそれと思われるモノが付着したクローズアップ写真(⬆上の写真)を公開した。これが事実なら試合中に退場、その後は10試合の出場停止処分というのがMLBのルールブックにはあるのだが、敵将ヤンキースのブーン監督は「試合終盤で気づいた」と言いながらもそれについて抗議する動きは全くしていない。投手は、滑り止めにロージンバッグ以外使ってはいけないというルールがあるが、どうやら問題の松ヤニの使用は、メジャーでは「公然の秘密」となっているようなのだ。メジャー投手の間では、松ヤニを使わないと球が滑りやすく暴投が増える、という考え方があるようで、相手チームも松ヤニ使用を問題にはしてはいけないという「暗黙のルール」があるようなのだ。 ちなみに湿気の強い日本のプロ野球の投手は、わざわざ違反する松ヤニを使用する必要はなく、菊池投手が今回実際に使用していたとすれば、所属チーム内で何らかのアドバイスがあったからだろう。このニュースが日本でも大きく取り上げられているが、不思議なのは疑惑の当事者である菊池投手本人がこの件について一切、抗弁していない点だ。「物言えば唇寒し」、「余計な発言をすれば余計に災いを招く」ことを菊池投手が、十分に弁(わきま)えているからなのだろうか(笑)