いよいよサッカーアジア杯の決勝戦、日本と対戦するカタールは、過去のアジアカップでも過去二度のベスト8が最高成績に過ぎなかった。そんな彼らがなぜ、優勝候補の韓国などを撃破しここまで勝ち進むことができたのだろうか。その理由としてあげられているのが「帰化人」「移民」の選手なのだ。何と23名中14名が外国にルーツを持つ選手なのだ。国別でみると現在大会8ゴールを記録しているアルマエズ・アリの出身地スーダンが5名でトップ。そこにエジプト、アルジェリア、アフィフ兄弟がいるタンザニアとイエメンが2名で続いている。全体のパーセンテージで実に60%を占める多国籍軍団だ。カタールの新聞『Dotemirates』によれば、カタールのファンたちは帰化選手に頼っている代表チームの現状を嘆いているという。子供たちにインタビューしても「(帰化した選手ばかりの)このチームは僕らを代表していない」と言い、たとえ大敗を喫することになっても、自国の選手だけに頼るほうがチームにとっていいはず」だと語っている。その多国籍軍団の戦いぶりは、攻撃的なチームに対しては、粘り強い堅い守りと速攻で勝利をモノにし、その一方細かくパスをつないだ上で主導権を握る戦い方もできる実にフレキシブルな戦いができる。今回のアジア杯では6試合で16得点でしかも無失点と攻守に抜群の安定感を誇っているカタール。日本代表の乾選手は多国籍軍団について「ボランチとディフェンスラインの間が空くしサイドバックも結構食いついてきますしサイドハーフも守備をしなかったりするので突く所はいっぱいある。攻撃面でそんなに難しくないんじゃないかな」と見ている。日本との過去の対戦成績は2勝4分け2敗とまったくの五分、勝利の女神はさて日本・カタールどちらに微笑むのだろうか。