日本体操協会は、女子体操日本代表候補の宮川沙江選手の専属コーチの速見コーチから「パワハラを受けているようだ」と言う第三者からの密告をもとに、速見コーチに事情聴取して本人が宮川選手へのパワハラ行為を認めたのを受けて被害者である宮川選手の「パワハラ被害を受けた」という証言が得られないままで、日本体操協会へのコーチとしての無期限の登録抹消処分にした。ところがパワハラを受けていたとされる被害者である宮川選手が速見コーチのパワハラ行為を否定し、「私が訴えてもいないのに」とこの体操協会の処分に疑義を呈したのだ。さらには、協会側が「パワハラ被害を認めるよう」彼女に迫ったり、家族ともども速見コーチを信頼していると言うと「家族でどうかしている。宗教みたいだ」といわれ、「体操協会側のパワハラを感じた」とまで語っている。宮川選手のこれらの発言に対して体操協会は「たとえ被害者が暴力を許したとしても協会が許すことはありません」と一方的な見解を発表したのだ。金儲けだけの弁護士も同席しての記者会見だったが日本体操協会の「法律」についてのこの無知さ加減にはまったく驚かされる。「パワハラ処分は無効」と宮川選手側(こちらにも弁護士が同席していた)が裁判に訴えたら協会は明らかに負けることをまるで分かっていないようだ。被害者である本人がパワハラと認めず、逆に協会のパワハラを訴えている、こんな状況を裁判所が判断するとすれば素人判断でも明らかに協会側に勝ち目はないと思われるのに。「パワハラ訴え」というスポーツ界のブームに乗っての今回の日本体操協会の「処分」はどうやら早とちりの「勇み足」と言えそうだ。