ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

精神病院を我が家にする世界的アーティスト草間彌生。

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ルイ・ヴィトンとのコラボで若い人にまで人気のある世界的アーティスト草間彌生さん。88歳の今なお40年前から住み続けている精神病院の一室から向かいにあるアトリエに通い描き続ける毎日だ。彼女の描く絵画は1点でン千万円の評価がありアメリカのタイム誌の紹介後は価格が高騰し入手することさえ困難だという。2年前の絵画オークションで草間彌生の作品に8億円の値がついて世界的なニュースにもなった。その偉大な世界的な画家がなぜ精神病院で長い間暮らし続けているのか。彼女は半世紀前、ニューヨークの現代美術を代表するアーティストとして活躍していたがパートナーだった同じ前衛芸術家ジョゼフ・コーネル氏が死去したため40年前日本へ帰国。しかし当時世界の最先端にあった彼女のニューヨークでの前衛芸術活動をまるで理解できない当時の日本のマスコミが「奇行の女」だとして草間さんに猛烈なバッシングを浴びせ続けた。そのため草間さんは精神のバランスを崩して精神病院に入院、その一室が、そのまま彼女が帰国してからの住まいになったというわけだ。彼女の精神の病は統合失調症と呼ばれるもので歴史的な画家であるゴッホムンクも同じ病に罹っていた。草間さんは少女時代にこの病気のせいで幻聴や幻覚に繰り返し襲われ、それから逃れるために幻覚や幻聴を絵に描き留めるようになったのが芸術活動の始まりだったと自身で語っている。幻覚から生まれた草間彌生の「水玉」のモチーフは、ゴッホの「ひまわり」、ムンク「叫び」と同じように絵画史に永遠に残る代表作品であることは間違いないだろう。