登山をはじめてわずか5年でマッキンリーを始め世界の6大陸最高峰の登頂を成功させて注目されていた35歳の若き登山家栗城史多さんが世界最高峰エベレストに挑戦中に亡くなった。エベレストには今回を含めて8回挑戦し6年前のアタックでは凍傷にかかり手指を9本失っていた。栗城さんの無酸素で挑むアタック方法は多くの登山家から「無謀過ぎる」と批判の声が上がっていた中で今回の悲劇が「案の定」起こってしまった。有名登山家である野口健さんは、3年前に栗城さんがエベレストにアタックしてる最中に、「通常の最終キャンプよりも低い地点から一気に山頂を目指すとのこと。無茶だ。遠すぎる。仮に登頂できたとしてもその日の内にテントまで戻ってこられないだろう。8000mを超える世界でのビバークはリスクが高過ぎる。一度BC(ベースキャンプ)に下り、仕切り直しした方がいい」とツイートしていた。多くの登山家から批判されたアタックを彼はなぜ無視し続けたのだろうか。「人間は成功することが素晴らしいと考えるが、自然は本来うまくいかないことばかり。そこに向き合って学ぶということ。登れた山より、登れなかった山の方が思い出深い。子どもに対して、大人はすぐに"無理だ"と言う。失敗は怖い、挫折はかっこ悪い。その"否定の壁"をぶち壊したい」そう語っていた栗城さんの座右の銘はNO LIMIT。聞こえの良いコトバばかりだが、自然というものは「言葉遊び」なぞ通用しない過酷さがあることに彼はまるっきり気づいていなかった、『無念』過ぎる。