アベノミクスの経済政策の中核を担う日銀黒田総裁、マイナス金利政策まで実行してみても物価上昇やそれに伴うサラリーマンの所得増加は一向に実現しそうにない。「(低金利政策をすることで)通貨の供給量を増やせばモノの供給が一定である限りインフレ(物価上昇)が起こる」というアベノミクス理論はまさに「経済の教科書」通りのやり方だが、この経済政策はもっとも肝心な点を見逃している、と指摘する英国人アナリストがいる。かつて日本がバブル崩壊した時に不良債権問題が必ず起こると真っ先に予言したデービッド・アトキンス氏だ。彼のユニークな経歴はWikipediaで参照いただくとして、日本人の所得が一向に増えない原因の指摘は日本人ではなかなか気付かない。端的に言えば現在の日本の経済不況の根本的な原因は、「労働人口の減少」という重要な点を見落としている事だ、とアトキンス氏は指摘する。「現在の日本では(経済の)需要者が減っているのに加えてお金を使いたがらない高齢者が増加して若い生産者人口も減少していて人手不足が問題化している」という現状をしっかり踏まえたうえで経済政策を打ち出すべきだ、というのがアトキンス氏の意見なのだ。人生で最大の買い物である住宅購入も若者層の購入予定者は年々減少し、空き家率も深刻な問題だ。アベノミクスの間違った需要増加政策をアトキンス氏はお米の食べ方に例えて説明している。「生産人口が減少する中で消費すべきお米の量を増やすためには一人一人が沢山お米を食べて肥満大国を目指すしか方法は無い」と言うのだ。これだけわかりやすいアベノミクスの経済理論のデタラメぶりの指摘について、いまだに所得が増えない日本のサラリーマン達はいつまでダイエット(我慢)生活を続ける気なのだろうか(笑)