NHKの看板アナウンサー有働由美子さんが突然NHK退社を発表した。彼女は現在49歳来年50歳を迎える前に自ら下した大英断だ。退社の日付がレギュラー番組「あさイチ」の司会を降板した3月末日であった事は、「番組降板」を告げられた早い段階での決断だった事が伺がえる。昨年の正月に同じNHKを辞めた先輩の池上彰氏から「紅白歌合戦の司会を外れてどうでしたか」とズバリ質問されて「正直ホッとしました」と言いつつ動揺した態度を見せていた彼女が、今年に入って8年間も司会を勤めてきた朝の番組からの降板をも言い渡された時点で、自分が現在置かれている立場がどういうものかという「空気」を読み取ったに違いない。いくら人気があるアナウンサーであっても「寄る年波には勝てない」50歳目前でそう悟った彼女が選んだのが退社の道というわけだ。まえから民放各局がウラで「有働由美子」争奪戦に奔走しているというウワサは衆目の一致するところだ。彼女の持つタレント性はNHKを離れても、いや離れることでこそ十分に発揮される事は間違いないだろう。有働アナは退職の理由を「海外での現場取材や興味ある分野の勉強」をしたいとしているがそれはおそらく方便にすぎないだろう。彼女は大学受験で希望していた阪大に不合格になった際に阪大受験用のテキストをビリビリにして破り捨てたというエピソードがある。「負け犬」を拒否する彼女のそうした姿勢は必ずや民放の世界で大輪の花を咲かせてくれるに違いない。50歳を前にした有働アナの再出発に健闘を祈って拍手を贈ってあげようではないか。