先日行われた東京マラソンで日本勢トップで2位に入った設楽悠太選手が1億円の報奨金を手に入れた。1位ではなく2位なのになぜ?と思うがこれは日本実業団陸上競技連合という長ったらしい名前の社団法人が3年前に「マラソン日本記録突破報奨制度」とこれまた長ったらしい報奨金を掲げて実業団に所属する選手がマラソンで日本新記録を出すと1億円あげますという美味しい制度なのだ。設楽選手は実業団ホンダに所属する26歳で東京マラソンで2時間6分11秒という16年ぶりの新記録で2位になったため報奨金1億円を手にできたのだ。設楽選手は試合後のインタビューで「1億円という声を沿道の方々からゴールに近づくに連れたくさん聞いた。終わってみて1億円をゲットすることができて素直にうれしいと思う」とその喜びを語った。ところで16年ぶりの新記録で1億円なら昨年19年ぶりの日本新記録を出して日本人初の100m9秒台スプリンターとなった桐生祥秀選手には報奨金がゼロというのは不公平すぎないだろうか。偉大な記録を達成しても桐生選手は実業団所属ではなくまだ学生の身分だ。2年前、同じ100m9秒台を狙うケンブリッジ飛鳥選手に所属先のスポンサーから9秒台を達成したら1億円のボーナスが出るという話を聞いて羨ましがっていた桐生選手。彼はまだ若いといえ、日本人初の9秒台スプリンターとして1億円の報奨金の話も国民栄誉賞の話もまったく聞こえてこないのはいささか気の毒に思える1億円ゲット設楽選手の今回のニュースであった。