2年前、賞味期限切れの鶏肉を使ったチキンナゲットやフライドポテトに人の歯が混入してたりと次々と問題が発覚し急速に客離れが進んだ日本マクドナルド社。2015年12月期には株式上場以来最低の売上を記録し100店舗以上が閉店に追い込まれる状態にまで陥った。2013年に社長になったサラ・カサノバさんは自分も子を持つママさん社長。これらの事件後カサノバ社長の素早い対応によってマクドナルドは21カ月連続で売上を増加し、2017年度末の最終利益は事件のあった年の200倍にまで拡大した。日本マクドナルド社が直面していた経営危機をわずか2年で回復して見せたカサノバ社長の手腕がいま大きな注目を集めている。カサノバ社長がV字回復をしてみせたマジックのような経営のヒミツはいったい何だったのだろうか?それは「ママの目線」でお店を見直すという考え方だった。マクドナルドは企業規模が大きくなりすぎて、もっとも大切なお客様の声に耳を傾けてこなかった、このことに気が付いたカサノバ社長は、日本全国47都道府県のマクドナルド店にくまなく足を運び「タウンミーティング・ウィズ・ママ」というイベントを開催。子育て中のママさん達と直接出会ってマクドナルドは何を改善すべきかを聞いて回ったのだと言う。一度マクドナルドから離れていったお客様を取り戻すには、「愛する家族の事を一番に考えている」ママさん達にマクドナルドのお店が変わったことを知ってもらう。それによってママ友や子供たちにもマクドナルドが前より魅力的なお店になったことを認めてもらえる。難しいマーケッティング戦略を振りかざす事よりも、大切なお客様の心を取り戻す一番手っ取り早い方法をカサノバ社長は実践して見せたのだ。「ママの目線」でお客様にどう向き合うかを考える、誰にでもできそうなことを最初にやって見せる「コロンブスの卵」のようなカサノバ流経営術。ママさん社長らしい素晴らしい発想だと思いませんか。