旅行サイトエクスペディアが世界30カ国のサラリーマン・OL15,000人を対象に行った「有給休暇」の国際比較が興味深い。アベノミクスが掲げる「働き方改革」とは裏腹に、今年も有給休暇の消化率が日本のサラリーマンは50%と30カ国中最下位という結果だった。その原因として考えられる「有給休暇に対する罪悪感」(上記グラフ参照)について調べてみると休むことに対する「罪悪感」の高さでも日本は世界一だった。その第一の理由は「病気した時のためにとっておきたい」で先進国の中で「病気休暇」制度が無い日本ならではの理由があげられている。第2位は「職場の人手が足りてないから」、第3位は「周りの同僚が有給休暇を取らないから」となっている。また、有給休暇を取る事に上司は協力的かを聞いた質問にも「わからない」と答えた数が世界一という結果だったと言う。つまり、日本人のサラリーマン・OLは、「有給休暇」について職場の上司や同僚とのコミュニケーションが不足していてひとり罪悪感にさいなまれていると言った現状が浮き彫りになったのだ。しかも休暇の取り方が海外の国々のようにまとめて取るという事はなく、1~2日の短い休暇をコマめに取るというのが日本人の有給消化率の特徴だ。政府のすすめる「働き方改革」という政策も、日本人の根底にある「有給休暇」にたいするこうした罪悪感をまず見直すことから始めなければ何の効果も得られないのではないだろうか?この「国際比較」のグラフを眺めながらふと感じた次第である。