今から66年前、イギリスの登山家エリック・シプトンがヒマラヤの氷河で長さ30㎝以上ある巨大な足跡を発見し写真撮影したことから始まった雪男イエテイ伝説。全身が毛むくじゃらで直立歩行し、2m以上ある身長でヤク(野牛)を襲いウサギを捕食する怪獣としてヒマラヤ山脈に住むシェルパ達の間で恐れられてきた未確認生物だ。イエテイはつねに用心深くその姿を見た人はほとんどいないがネパールの寺院にはイエテイの頭部や毛皮とされる存在証拠がいくつか残されている。58年前には日本からもイエテイ捜索の学術探検隊が派遣されエベレスト山麓で大規模な捜索を行ったがイエテイの生存を証明するには至らなかった。しかし、このナゾの怪物イエテイについて、つい最近米国のニューヨーク州立大学の研究チームが「ヒマラヤに生息するヒグマかクロクマである」とイエテイの正体を突き止めてしまったのだ。研究チームは、DNAの解析技術を使って、イエテイのモノとして残されている体毛や皮膚、骨・排泄物など合計24点もの遺物をDNA分析したところ、すべてがヒマラヤに生息するヒグマやクロクマのDNAと一致したという。そういえば、58年前の日本のイエテイ探検隊に地元住民が提供した「イエテイの毛皮」も調べて見たらヒグマのものだったという記録が残っている。世界中でその存在が伝説化していた雪男イエテイがクマを見誤った創造物語だったとは「面白うてやがて悲しき雪男かな」といった所だろうか(笑)