SNSでロシア人が投稿したロシアと日本との貧富の格差を数字にして比べたグラフをみて日本人として実に興味深かった。ロシアの国土面積は日本の45倍の広さがありながら人口は日本が1億2700万人、ロシアが1億4600万人とあまり変わらない。しかし、公務員の数はロシアは140万人、日本はその約5分の1の33万人、1人当たりGDP(国内総生産)はロシアが7,742ドル、日本はその約4.5倍の34,870ドル、老人の年金受給額はロシアが月18,000円(社会年金)、日本がその3倍の月55,000円(国民年金)、平均寿命はロシアが62歳、日本は87歳と25年も長生きだ。この数字による比較をしたロシア人は「72年前にロシアが戦争で日本に勝ったのに、この格差は何なんだ」と嘆いている。その答えは簡単だ。ロシアは第2次大戦後に国民を豊かにする事より軍備にひたすらお金を掛けてきたためだ。その一方、日本は敗戦国のお蔭で軍備にそれほどお金を掛けずにひたすら経済力を蓄えてきたおかげで豊かな国へと成長できたのだ。ロシア人のこの嘆きは軍備にお金をかけ続けている中国や北朝鮮の国民も同じに感じている嘆きだろう。72年前アメリカの文化人類学者ルースベネディクト女史が、敗戦してすぐの日本に対して「(日本は)再軍備を国家予算に計上しなければ国民の生活水準を引き上げることができるだろう。(日本が)軍備をせずに済ませるなら軍事力を整える国に対して有利な立場に立てる。というのは富を用いて健全で豊かな経済を建設できるからである」と予言した言葉がふと浮かんだ。軍事力にお金を注ぎ続ける国家は国民を苦しませ続ける、という「教訓」になる良い言葉だと思いませんか。