昨日のニュースで、米大リーグ機構のコミッショナーがドジャースのダルビッシュ投手に「差別的な表現」をしたとしてアストロズのグリエル選手を来シーズン開幕から5日間の出場停止処分にすると発表した。ワールドシリーズ第3戦でダルビッシュ投手から先制のホームランを放った後ベンチに戻ったグリエルが両手で目じりを釣り上げる仕草をしながらアジア人を差別するのに使うChinito(中国野郎?)というスペイン語(キューバでは中国と日本の区別がつかない下層階級の人々が使う言葉)を口にしたからだという。この出来事が起きたのはワールドシリーズ第3戦日本時間で4日前の話だが日本のマスコミでも盛んに報道されたが「グリエルの差別表現」は特に日本国内では話題にすらならなかった。何故なのだろうか。理由として考えられるのはグリエル選手が世界の国々の中で人種差別を受けやすいマイノリティ(社会的弱者)のキューバ出身のインディオであることを日本人の多くが知っているからだ。それより、貧しい国で育ち教養の無いグリエル選手が横浜DeNAからメジャーへ移籍してすでに2年、大した活躍をしてない現状に励ましの言葉を贈ってあげたいというのが多くの日本人の偽らざる心情だろう。しかし、人種差別に厳しいアメリカ大リーグ機構は「差別言葉」を平気で使った教養の無いこのキューバ人選手を許さなかった。一方の差別されたとされるダルビッシュ投手は大リーグコミッショナーの立ち合いで行ったグリエル選手の正式謝罪に「寛容な態度」で接したことでグリエルはワールドシリーズの出場停止を免れたという。またダルビッシュ投手がグリエルに「寛容な態度」を示した事でメジャー関係者の間ではますます彼の人物評価が高まっているという。グリエル選手による「差別表現」などまったく苦にもしなかった日本人ダルビッシュ投手。その「寛容な態度」のウラには「マイノリティであるキューバ人へのあわれみ」という思いやりの気持ちがあったことをインディオの血を引くグリエル選手はちゃんと理解できただろうか(笑)