北朝鮮が水爆実験や大陸間弾道弾ミサイルなど大きな実験の発表の際には必ずテレビ画面に登場するピンクのオバサン。彼女は北朝鮮国営テレビの最古参アナウンサー李春姫(リ・チョンヒ)と言い御年72歳になる女性だという。彼女は5年前に一度引退しているが世界へ向けての重大なニュースの発表には、あの堂々として威圧感のある独特の口調でニュースを読み上げている。彼女のアナウンサー歴は、金一族の初代金日成の時代に始まり、2代目金正日、3代目金正恩の今日まで3代に渡って金一族の悪行を世界に知らしめる役割を担ってきている国営テレビを代表するアナウンサーなのだ。欧米のメディアからも「オペラ風にニュースを語るピンクレディー」として注目され続けている彼女のあの独特な語り口は何処から生まれたのだろうか。ワシントンポスト紙によれば、建国の父の初代金日成が彼女に「威厳のある声で語る」ことを要求、「彼女が声明を発表すれば敵は恐れで震え上がるだろう」というあの独特の語り口を編み出したのだと言う。しかし、彼女は一度は現役を退いた72歳のオバアサン。それを何故3代目の金正恩がわざわざ現場復帰をさせたのか。水爆実験や大陸間弾道ミサイルなど北朝鮮が特に誇りに思うトップレベルのニュースには、最高のプロパガンダをするのにふさわしい彼女のボイスによって発表するのが一番だと金正恩が考えたためだろう、とロサンゼルスタイムス紙は伝えている。一度引退した「オペラ調のピンクレディー」が再び引退する日は、いつやってくるのだろうか。