今季限りでの引退を表明した女子プロゴルフの宮里藍選手が全英オープンで予選落ちして彼女の夏は終わった感がする。この試合でメジャー初制覇したのはお隣韓国のキム選手だった。宮里藍が7月の会見で引退の理由として挙げたのは4~5年前から自分でも気付いていたモチベーション(試合で勝つ意識)の維持が難しくなってきた、からだという。確かに5年前の2012年PGA選手権6位を最期にメジャー大会での彼女の上位入賞は無くなっていた。ゴルフはメンタルなスポーツの最たるものだが宮里藍も渡米3年間振るわなかった成績がアメリカで著名なメンタルコーチをつけた2010年に大ブレイクしたことがある。しかし、それも一時的な効果であり4~5年前からは思うように勝てなくなり自分にイライラが溜ってきていたのだろう。宮里藍が不信を続けてきたこの4~5年間の間に目を見張らされたのが韓国の女子プロ選手達の活躍だ。宮里藍が手の届かなかったメジャー制覇を次々に達成する韓国の女子選手たち。嘗て日本での賞金女王を何度も手にした韓国女子プロのアン・ソンジュ選手が言う「韓国では子供のころから強い相手に囲まれて育ち生き残るために絶対に強くなるんだと自分に言い聞かせて練習に励んできた。そういった子供のころから精神力を鍛えてきたことで今の自分がある」という言葉に韓国選手の強さの証明がありそうだ。メジャー制覇を遂に成し得なかった宮里藍がメンタルコーチを付ける程度ではとても及ばない韓国選手達の幼い頃から鍛えあげてきた「優勝第一というモチベーション」がメジャー制覇を次々と成し遂げる最大の理由なのかもしれない。