ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

暗殺されたマルコムXとモハメド・アリ闘う男のコラボレーション。

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昨年亡くなった世界ボクシングヘビー級の英雄モハメド・アリがボクシング界に華々しくデビューし「KO予告」などで世間を驚かせていた頃の名前は本名のカシアス・クレイだった。1964年に世界ヘビー級チャンピオンになったあとにクレイは「ブラックモスリムの党員である」と公言し「カシアス・クレイという元奴隷の名を捨てモハメッド・アリに改名する」と発表したのである。当時黒人の中で最も攻撃的なイスラム集団であったブラックモスリムNOIへのアリの加入はアメリカ中を驚愕させた事件だった。アリがブラックモスリムNOIに入党するきっかけとなったのはマルコムXとの出会いだった。世界チャンピオンになる2年前、まだ世界的には無名だったアリはマルコムXの演説を聞きその圧倒的な存在感に感銘し直接会って親しくなり、互いを義兄弟と呼ぶまでの仲となり、以降アリの行くところ必ず傍らにマルコムXの存在があったのである。その二人の縁はマルコムXが腐敗した党組織を批判しNOIから脱退した事によって疎遠となりやがてマルコムXNOIの刺客によって暗殺されてしまう。後になってモハメド・アリマルコムXと共にNOIを脱退しなかった自分を大いに悔やんだという。アリはなぜキング牧師のような穏健派の黒人では無くより攻撃的なマルコムXにアイデンテテイを見出したのだろうか。それは「闘い続ける男」としてのシンパシー(共感)だった。「蝶の様に舞い蜂の様に刺す」がモハメド・アリのボクシングスタイルなのに対しマルコムXは「ブラックパンサー(黒豹)の様に白人を恐怖させる」政治をスローガンにしていた。アリは、やがて徴兵を拒否してボクサー生命を絶たれた際にアメリカ政府の「徴兵拒否を撤回すれば兵役は免除する」という裏取引にも断固として応じなかった。人種差別に徹底して闘い続けるという強い姿勢を貫き通したマルコムXモハメド・アリ。2人はアメリカの歴史に永遠に名を残すヒーローであることは間違いない。