すでにW杯サッカー最終予選で敗退が決まっていてグループ4位のイラクと戦ったグループ1位の日本代表。誰もが楽勝すると思ったこの試合を何と引き分けてしまった。給水タイムまで設けられた気温37度という中でのゲームはテレビ観戦している我々の目にも日本代表の選手たちの鈍いばかりの動きにイライラが募ったのは確かだった。前半8分に大迫選手がコーナーキックにヘディングで先取点を挙げた時点で「この試合は格下イラク相手に日本の楽勝で終わる」と誰しもが思っただろう。しかし、どうだろう、得点した後のボールの支配率は明らかにイラク側にあり、日本選手はボールを奪うどころかイラクの選手たちに翻弄され続けるばかり、この時点でハリル監督はボールを奪えない選手たちに気付くべきだったのだ。休憩をはさんだ後半戦もあい変わらずボールの支配率はイラク側にありイヤな予感が漂う中で格下イラクに同点を献上してしまったというわけだ。試合後ハリル監督は「ちょっと混乱していて何が起きたかまだ解っていない」と放心状態になったと言う。「何が起きたのか?」唯一の得点を挙げた大迫選手が試合後に語っているではないか。「1点を取ってからチームの重心が後ろに下がってしまった。2点目を取りに行く意識が(チーム全体に)無かった」まさにこれこそが敗因なのだ。大迫選手が気付いていた事を監督として気付いていなかったハリル・ホジッチの采配で今後の最終予選を果たして勝ち抜けるのだろうか、といささか心配になってくる「引き分け試合」だった。