ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

3連続KO防衛、相手の出方を見切ってしまう井上尚弥の動物的なカン。

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プロボクシングWBOスーパーフライ級タイトルマッチ。井上尚弥と対戦した同級2位のリカルド・ロドリゲスは試合前、「井上は接近戦に弱いのでそこを突く」と語り、対する井上は「自分の距離に入れなければいい。そうすればロドリゲスのボクシングは通用しない」と語っていた。いざ試合のフタを開けてみると3ラウンドで井上の強力なフックでロドリゲスは2度ダウンし、KO負けを喫したのだ。試合後、ロドリゲスは「井上は偉大な王者だ。非常にパワフルだ。リズムを掴みかけていたところでフックをもらって終わってしまった。敗因は自分の不注意だった」と語った。この「自分の不注意」というロドリゲスの敗因発言を聞いた井上は「あそこは(自分としては)狙っていた」んだと苦笑し、3回のKOシーンを振り返った。「ロドリゲスの入り方(攻め方)は1ラウンドでわかった。2ラウンドから相手がプレスを強めてきたのでこれはいける(KOが狙える)なと思っていた」と述べ、KOに仕留めたフックは相手の左からのパンチに合わせたモノだったと語った。これでタイトル防衛を3回連続のKO勝利で飾った井上尚弥の強さのヒミツは、互いの探り合いの中で相手の出方を見切ってしまう動物的なカンによってKOのシナリオを描けるという点にある。さらに今回の試合の反省点として井上尚弥があげたのが「スパーリングと実際の試合では間の取り方がほんの少しズレがあった。ほんの数センチ数ミリだけど」。若干24歳のハードパンチャ―は厳しい練習を積み重ねて得た精密機械のようなその動きと相手の出方を一瞬で見切ってしまう動物的なカンとによってこれからも多くのKOシーンを見せ続けてくれるに違いない。