トランプ大統領がイスラエルから入手したシリアに関する機密情報をロシアに漏らしたと言うスキャンダルが発覚した。リーク事件で思い出したが、第2次大戦の最中に、中国建国の父である毛沢東が、事もあろうに敵対していた日本軍へ機密情報をリークした話は、中国の歴史における抗日戦争を戦った毛沢東の英雄伝説を覆すほどに衝撃的な出来事だろう。第2次大戦中、抗日戦争を戦った中国は毛沢東が率いる共産党軍と蒋介石が率いる国民党軍の2つの軍隊組織があった。毛沢東は、先ず日本軍と停戦協定を結び、そのあと日本軍と蒋介石の国民軍とを戦わせて消耗させたうえで共産党国家を建設するというシナリオを描き、国民党と抗日戦争で共同戦線を図ろうと蒋介石と行った「国共合作」の情報を日本軍へリークしたのだ。しかも日本軍から情報提供の見返りとして巨額の情報提供料をせしめたというから毛沢東は抜け目がない男であった。この歴史的な政治スキャンダルは、中国研究の第一人者である筑波大学名誉教授遠藤誉氏の著書「毛沢東ー日本軍と共謀した男」に詳しく述べられている。この本を読むと毛沢東の意外な側面つまり「反日」ではなく、むしろ「親日」であったことがよくわかる。第2次世界大戦の終戦から11年後に、かっての日本軍中将であった遠藤三郎氏が毛沢東を表敬訪問した際には、「(過去の)日本軍の侵攻に感謝している」と語った程だ。毛沢東が「反日」でなかった理由は何だったのか。共産党独裁国家を建国できたのは蒋介石の国民党に勝利したからであり、その国民党を疲弊させてくれたのが日本軍という認識で、日本に感謝こそすれ恨みは無いというわけだ。