ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

メジャー140年の歴史で上原浩治の記録を超えたピッチャーはいない。

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MLBレッドソックスでクローザーとして活躍した上原浩治が今年のワールドシリーズの覇者カブスに移籍することが決まった。今年は上原浩治の持つあるメジャー記録が現役最高であると同時にメジャー史上でも最高である事がファンの指摘によってわかりネット上で大きな話題を呼んだ。その記録は日本では耳慣れないWHIP(1イニング当たりの被安打+与四球)と呼ばれるもので、投手がランナーをどれだけ出さないかを表す数値のことである。この数値が1.00以下ならメジャーを代表する投手として評価されるそうだが上原のこの数値は0.864というメジャー140年の歴史始まって以来の最高数値を示したのだ。奪三振が多く与四球が少ないという上原の抜群の制球力は有名だが、メジャーの打者が口を揃えるのは「球の出どころがみえにくい」「球種を見極める時間が無い」「投げてから半分を通過するまで球が見えない」など上原のボールは打ちにくく謎だらけだと証言している。この上原のピッチングのナゾ解きを科学的に行った結果が先日TVのスポーツ番組で紹介されていた。彼の投球フォームを分析すると投げる時の前足の着地が普通の投手に比べて早く着地すること、これで遅いボールが早く見えてしまう錯覚が起きる事、ボールのリリースポイント(放す位置)が普通の投手の位置より低いため、打者には球の出どころが非常に見づらくなること、という科学的な分析結果が報告されていた。上原投手はメジャーでは通用しないだろうと言われた平均140キロのボールを、こうしたテクニックを駆使して打たれにくいボールへと変化させる努力を積み重ねた結果、メジャー史に残る出塁阻止率0.864という記録を打ち建てたのだからやはり日米を跨いで傑出したピッチャーだと言えるだろう。