昨日、100円ショップチェーンがそろって売り上げが好調だという嬉しいニュースがあった。我々庶民がこぞって安価なモノを求めて100均通いをし続けた結果だと思われる。時を同じくしてファッションの世界で安売りの一大革命を起こしたユニクロの柳井代表が、「いまは値上げする時期ではない」と発言したという報道もあった。一方で、日本全体で物価の2%上昇をモクろんでいるアベノミクスの番頭役の日銀黒田総裁は、来年度末までの2%の物価上昇の目標をあきらめた、というこれもまた嬉しいニュースが報道された。このご時世に誰が値上げを喜ぶと言うのだろうか。安倍政権の先を見通せないこの馬鹿げた政策は本当に国民のためを思っての施策なのだろうかと疑いたくなる。物価が上がらなければ景気は良くならない、という教科書通りの理屈であるが日本国民は果たして、昔のような高度経済成長を望んでいるのだろうか。時代は変化し、消費者の意識もまた変化してきている。国の高度成長より自分たちの安定した生活を望む消費者がいまは大多数なのだ。さらには、国民全体の4分の1を占める高齢者にとってはこの先の国の成長など、どうでも良い話だろう。安倍政権は、物価を上げようとするくだらぬカタカナ読みの政策を即刻取り下げて、今の消費者意識や消費の多数派を占める老人層への気配りを含めた新たなる経済政策を打ち出す必要があるのではないのか。