ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

42年前の今日、長嶋茂雄の引退挨拶。注目は一歩前へ出る、その姿。

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きょう10月14日は巨人軍の伝説的な人気を誇ったミスターこと長嶋茂雄氏が42年前に引退したその日である。当時、熱狂的な長嶋ファンだった友人が球場でその引退セレモニーを間近に見て号泣した、という話を聞かされたのが今でも懐かしい。私もテレビでその引退挨拶を見ていたのであるが、今でも強烈な印象として残っているシーンがある。しかし42年も前の事なので私の記憶に間違いは無いかとYouTubeで「長嶋茂雄引退挨拶」で検索してみたらその画面を再確認することができた。さて、その記憶に残ったシーンというのは、名ゼリフとして一般的に語られている「巨人軍は永遠に不滅です」と叫んだ場面では無い、彼が挨拶を終えてファンに向かって頭を下げる最後の場面だ。それまで直立不動であつたミスターが「皆さま本当にありがとうございました」と言いつつ一歩前に進んだのである。グラウンドの中央でスポット証明で照らし出されたその姿は観客席から良く見えているしお辞儀をする姿もハッキリと見えている。普通の選手だったらその場を動かずに深々と頭を下げて終わるのに、ミスターは言葉で言い尽くせないファンへの感謝の気持ちを体を一歩前に出すことで表現して見せたのである。観ていたファンはグランド中央に小さく見えている長嶋茂雄が一歩前に動いただけで一気に興奮し歓声をあげる。スタンドの観衆に、いやテレビの前の視聴者の目にも鮮やかに映ったこの「静」から「動」への一瞬の仕草。絶大な人気を誇った長嶋茂雄の人気者たる所以が垣間見えたシーンであり、今でもハッキリと覚えている。バッティングもスローイングも人より目立つスタイルをつねに心掛けていたという球界のレジェンド長嶋茂雄は、つねに人より一歩前に出続けてきた「永遠に不滅」と言うにふさわしいプロ野球選手である。